2020年12月より開催しておりました当協会主催の『みんなが笑顔で元気になる!“花・緑・庭”コンテスト』の募集が終了し、厳正なる審査の結果、受賞作品が決定いたしました。
今回で2回目の開催となった本コンテストは、花・緑・庭のある暮らし方や空間の提案・デザイン・設計・施工に携わられた方向けの「【プロフェッショナル】花・緑・庭で笑顔をつくった部門」と、花・緑・庭のある暮らしや空間でご自身や身近な方が心身共に健康で笑顔になった体験・体感の感動エピソードの「【一般】花・緑・庭を使って笑顔になった部門」の2部門で募集を行いました。
プロフェッショナル部門と一般部門において合計68件のご応募をいただきました。
ご応募いただいた皆さまに、心より感謝申し上げます。
なお、本サイトに掲載する各作品の詳細につきましては随時更新してまいります。
あらかじめご了承くださいませ。
- 一般社団法人日本ガーデンセラピー協会
●【プロフェッショナル】花・緑・庭で笑顔をつくった部門
グランプリ
講評
日本において幼少期の子供の教育方法が、先進的な保育園や幼稚園などで、さまざまな角度から見直しが進んできています。例えば、野菜を食べない子供が多いということで、キノコや野菜の栽培をすることによって、子供たちが興味を持ち、今までそれらを口にしない子供が喜んで食べたという事例を聞いています。
また、土や自然から学べる環境、ビオトープのような環境をつくる動きも出てきています。
本作品「エンジェルフィールド」はとても研究されています。
森、自然、土、植物も含め、健康や情操教育、人やすべての生き物との出会いや交わりを空間・環境をつくり、それを具体的にデザイン設計し、見事な実例として拝見し、大変な評価です。
スウェーデンでは小学校に入るまでに読み書きができることよりも、 外でたくさん遊ぶことのほうが大切だとされています。例えば、子供たちは、雨の日も合羽を着て、森へ行きます。 雨の日には雨の日ならではの自然の楽しみ方があるからです。
かつての日本も、「外に行って遊んできなさい」という教育を受け、野原を駆け回り、秘密基地を作り、季節の花や、自然の食べ物を探し、虫や鳥と戯れるそんな思い出が今の私たちを作っています。
「命を学び、自然を学び、季節やすべてのものに感謝する」ということを体や日頃の教育で学べる、このような先進的な園庭を教育に取り込まれた事例に、感動と、少しでも多くの方に広げていけることができればという気持ちでいっぱいです。 当協会を通じて、多くの方にご紹介できれば幸いです。
準グランプリ
講評
施主様の希望に、土地の条件や住環境のバランスを見ごとに配慮した設計デザインである事が大きな選定理由となりました。
住宅造成地にはありがちな平坦な土地を、敢えて盛り土をし、起伏をつけ平面的な動線だけでなく立体的な動線をつけた事に依り、自然と足が向くリズム」を生み出す手法が高評価となりました。
また、ビオトープを作り、池のそばにシンボルツリーとなるカツラを植えたことは、水を好む植物であることを理解して植栽されており、将来、大きくなるであろうことを考えて、十分なスペースに配植されています。
年々成長し変化を楽しむことができる庭として、共に成長するご家族(徒歩圏内に住まわれる奥様のご実家とお姉さんも含めて)のコミュケーションの場としての素敵な庭になっていくとこを期待しています。
準グランプリ
講評
これまでの眺めるだけの庭から、庭の中に入り家族と楽しく過ごせる空間にリニューアルした設計とデザインが素晴らしいですね。まさしく暮らしのガーデンセラピーの事例です。日本家屋の「縁側」での役割が、デッキをうまく活用することにより家族にとって大切な空間になっています。生活様式が洋風化している中で、デッキにテーブルとチェアではなくラグを敷いて靴を脱いで座れるのがまさしく日本の癒し空間です。また、台所と直結したキッチンガーデンでは、プランターを地面に埋め込み周りをチップで敷き詰めることにより、野菜の育成のためにも非常に良いアイデアです。畑とは異なり、靴の泥汚れも防げます。風致式の植栽も自然観を高め、季節の移り変わりを感じ、緑の光、そよ風を心地よく体感できるように工夫されています。ガーデンセラピーの要素が暮らしの中でふんだんに取り込まれています。ぜひ、参考にしていきたい庭ですね。
特別賞
講評
生理的、心理的健康に加え、人と人の繋がりにより生まれる「社会的健康」が、健康に暮らす重要な要素となっています。しかし、現代社会では、人と人の関係が希薄になり、社会的健康を得ることがとても難しい状況です。今回、受賞された「めぐりかだんが生む交流の輪『欅ガーデン』」は、隣接する緑地ともレイズドベットを介して連動させ、マンションの住民同士に止まらず、地域住民とも関わる接点を提供しており、デザインだけでなく、そのコンセプトが大変素晴らしく評価できます。実際に、子供からお年寄りまで様々な年代の方が利用されていること、また写真から皆さんの表情が生き生きしている様子がうかがえます。
超高齢化社会に伴い、ますます地域でのケアが重要となっています。本受賞により「欅ガーデン」が、ガーデンセラピー効果を活用した「地域ケア」のモデルとして広まることを期待します。
入 選
●【一般】花・緑・庭を使って笑顔になった部門
グランプリ
講評
第一に印象的だったのは、安田様が育てる植物が全て生き生きとしているということ。
セラピー効果があるからといって植物に一方的に頼るのではなく、植物への愛情と尊敬の念を持って日々の世話をすることで、植物もそれに応えてくれている。人と植物相互のコミュニケーションの上にガーデンセラピーが成り立っていることがこの作品に具現化されています。
さらにガーデンセラピーの大切な要素である五感の刺激や緑視率も加味したセラピー効果のある庭づくりを心がけている点も高く評価したいと思います。
これまで育ててきた植物を見るたびに、単身赴任先での出来事なども想起されるのではないでしょうか?
奥様の体調もガーデンセラピー効果で回復されたとのことで、まさに私たちがめざしている理想のガーデンセラピーを安田様が実践されていることに敬意を表します。
準グランプリ
講評
植物が人の心身に与える健康効果について身をもって体験され、さらに学術的な研究を進めておられるとのことで、社会に貢献しようとされている熱意がよく伝わる素晴らしい作品です。
植物にふれることはストレスをやわらげたり、リラックスできたり、また五感を刺激して心身が活性化したりと老若男女においてセラピー効果が認められています。
今後ますます植物を通して人々の笑顔を増やし、心身の健康を保つ研究を続けられるよう大いに期待します。
準グランプリ
講評
日々農業高校での授業を通じて生徒に植物との共生の大切さを伝えることは生徒のこれからの長い人生にとって必ず良い影響を与えるに違いない、と思いながら文章を読ませていただきました。
生徒に花の育て方を教える目的は、技術的なことはもとより、植物が人間に与えてくれるもの、すなわちそれがガーデンセラピーであり、自分たちが学んでいることは、人々の心身の健康に大きく貢献できると認識することだと斎藤先生は毎日の実践を通して生徒に伝えているのだと思います。
将来のガーデンセラピーの発展を生徒さんらがリーダーとなって担って行っていただきたいと切に願っております。
特別賞
講評
花やグリーンは見る人にやすらぎを与え、気分を明るくしてくれます。
ご自身の趣味のガーデニングで気持ちが安らぎ癒されることを実感したうえで、職場のスタッフさんや患者さんにもホッとする瞬間や季節の移り変わりを感じてもらおうという優しい気配りが作品から醸し出されています。
お子さんの成長を見守るのと同じ温かい目線で植物も成長を楽しみながらお世話されているのでしょう。
生活にガーデンセラピーを取り入れ、日々実践されていることを高く評価しました。
入 選
● 講評者紹介
-
理事長/高岡 伸夫
株式会社タカショー 代表取締役社長
-
副理事長/百瀬 伸夫
一般社団法人IKIGAIプロジェクト 理事
-
理事/岩崎 寛
千葉大学大学院園芸学研究科 准教授
-
理事/川人 紫
桜サイエンスビューティー株式会社 代表取締役
-
理事/白砂 伸夫
神戸国際大学 教授
-
理事/富島 三貴
みゆきの里 理事長
-
理事/水口 真理子
メディカル・デザイン株式会社 代表取締役
-
理事/山川 正浩
株式会社グリーン情報 代表取締役
-
特別講師/岩﨑 京一郎
有限会社東北ランドスケープデザイン 代表取締役
-
専門講師/堀 久恵
花音の森 代表
-
協賛団体/グリーン情報編集部
株式会社グリーン情報
-
後援団体/ガーデンストーリー編集部
株式会社3and garden
-
顧問/藤岡 成介