ご参加いただきました皆さまには御礼申し上げます。
講義内容・講師
開催のご挨拶 日本ガーデンセラピー協会 理事長 高岡伸夫氏
まず始めに、2016年4月の設立から本年4月で5年が経過しますが、それまでの間に多くの会員様にご尽力いただきましたことへの御礼がございました。さらに、「ガーデンセラピー」を用いて人が本来もっている自然治癒力を高めて、平均寿命と健康寿命の差を縮めることの重要さなどについて改めてお話しいただきました。
第1部 一家を笑顔にする庭と離れの改修「6つの小さな離れの家」 ACID NATURE 乙庭 代表 太田敦雄氏
まずは、当協会主催の「みんなが笑顔で元気になる! “花・緑・庭” コンテスト」プロフェッショナル部門にてグランプリを受賞された太田様ご自身についてご紹介と、園芸家・植栽デザイナーとしてご活躍されるまでのお話しやどのようなコンセプトをもってお仕事に取り組まれているかなどをお話しいただきました。
その後、2020年開催の当協会主催のコンテストで受賞された作品について、そのコンセプトや植栽デザインの詳細についてお話しいただきました。また、ガーデンセラピーコーディネーター1級資格者として、今後どのような考えを基にガーデンセラピーを活かしたお仕事や活動をされていくかについてお話しいただきました。
第2部 withコロナ時代を見据えた医療・介護現場におけるガーデンセラピーの提案 みゆきの里 理事長 富島三貴氏(当協会理事)
まず、富島様が理事長を務められている熊本市にある医療・介護の包括ケア施設「みゆきの里」についてのご紹介と、医療・介護の視点からみた日本社会が抱える健康についての課題とその解決策についてお話しいただきました。
その後、みゆきの里で取り入れられている統合医療やガーデンセラピーの取り組みについてご紹介いただきました。みゆきの里の入所者さんと畑にでて植物を育てる、楽しむ「ガーデンセラピー」を取り入れた結果、心身ともに健康になり一人で生活できるまで回復し退所されたという事例についてもお話があり、改めてガーデンセラピーの効果について学ぶことができました。また日本政府が掲げる「予防医学」を地域住民に向けて取り組むプログラムや、心から健康になる「ホリスティックヘルスプラン」など実際に現場で実践されているさまざまな取り組みについて詳しくお話しいただきました。
「心身ともに笑顔で元気になるガーデンセラピー」という考えの通り、医療・介護の現場において心と体が元気になる取り組みと考え方を学ばせていただきました。
第3部 withコロナ時代におけるガーデンセラピーの重要性 千葉大学大学院 准教授 岩崎寛氏(当協会理事)
まず始めに、新型コロナウイルスにおける世界中の現象として、公園や緑が求められたことや、なぜ、人が公園や緑を求める理由について、「バイオフィリア理論」という視点からご説明いただきました。また、コロナ禍において公園の使われ方に変化が見られることから、withコロナ、afterコロナにおいては、新しい発想で計画する必要があることをお話しいただきました。
そして、なぜ緑と関わることでストレスが減るのか、という緑と人との関係について岩崎先生が研究発表されたエビデンスと共に詳しく解説いただきました。
さらに、「ガーデンセラピー」をビジネスに活かすためのヒントとして岩崎先生の考え方を述べていただきました。健康を評価する指標として従来の生理・心理・社会的健康に加え、幸福感に繋がる笑顔も重要な指標であることをお話しいただきました。植物設置によるストレス緩和効果から、ガーデンの散歩により表情が明るくなる効果まで、さまざまな研究事例から、各指標のエビデンスを紹介していただきました。
最後に、予防医学の観点や人々が健康に注目している現代だからこそ「ガーデンセラピー」がいかにビジネスチャンスとして活かせるか、をお話しいただきました。
今後も当協会ではより多くの方へガーデンセラピーに関するさまざまな情報をご提供すべくイベントやセミナーを開催いたします。
そして、「心身ともに笑顔で健康になるガーデンセラピー」を啓発し、よりよい社会づくりを目指してまいります。
引き続き皆さまのご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
<文責>
一般社団法人 日本ガーデンセラピー協会 事務局
E-mail : office@garden-therapy.org